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商品先物銘柄トピックス

ストレステスト公表は逆効果

商品価格は、金のように安全資産としての役割を持つ商品価格は上昇し、景気に関連した商品価格は下落するように二極分化しそうである。ストレステストが公表され90行中8行だけが不合格という予想外の静けさであったが、これが却って疑心暗鬼を産んでいる。 ギリシャのデフォルトがあった場合銀行はどうなるかという点が抜けているためだ。このため、ストレステストに合格した銀行も市場は、独自の判断で株が売られた。未だ取り付け騒ぎのようなことにはなっていないが、株価が急落すれば、預金者は密かに預金を引き出してスイス等の銀行に移し替えるだろう。そのため、スイスフランはユーロに対して史上最高値を更新した。それだけスイスフランを購入している人が多い、つまり、スイスに預金を移し替えている欧州の人々が多いという証である。それは同様に金価格を高くしている。一時1600ドルを超えた金価格は2000ドルの呼び声も掛っている。ギリシャからスペイン、イタリア、アイルランドとソブリンリスクが重なれば、ユーロを持っている人々は、手放したくなるだろう。また米国は8月2日までに債務上限を引き上げる法案を通す必要があるが、それには今週中に与野党が合意する必要がある。オバマ大統領は国民全員が助け合おうと呼びかけているが、大統領選挙もあり、対立構造の中で政府の在り方は様々な観点から問われている。

今最も深刻な問題は、世界経済が再び二番底に沈む可能性がある時に、有効な景気対策が打てないということだ。どこの政府も、過去の負の遺産を抱え、思い切った財政投資ができない状況にある。景気が自力で回復するのを祈るばかりであるが、果たして個人消費等が伸びるかどうかは疑問である。日本の高齢者も65歳以上が23%を超えて世界一となっている。老後の資金を派手に使うわけにもいかないだろう。こう考えると経済は縮小均衡にスパイラル的にデフレとなる可能性がある。そうした時に商品価格は原油やプラチナ等の工業素材価格はそれほど上がる余地が無いのではなかろうか。

株式会社コモディティー インテリジェンス 近藤雅世

2011年7月20日(水)

株式会社コモディティー インテリジェンス 近藤雅世(こんどう まさよ)

1972年早稲田大学政経学部卒。三菱商事入社。
アルミ9年、航空機材6年、香港駐在6年、鉛錫亜鉛・貴金属。プラチナでは世界のトップディーラー。 商品ファンドを日本で初めて作った一人。
2005年末株式会社フィスコ コモディティーを立ち上げ代表取締役に就任。
2010年6月株式会社コモディティー インテリジェンス設立代表取締役社長就任。

コラム提供:株式会社コモディティー インテリジェンス

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