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商品先物銘柄トピックス

金価格は天井に近い

先週木曜日米国10年物国債利回りが1950年4月以来2%を下回り、1.97%になった。 S&Pが格付けをAAAからAA+に落とした後米国債の売れ行きが良くなるというのも皮肉な現象である。 それだけ安全資産に対する欲求が強いということであろう。金価格も19日、1884.10ドルと史上最高値を再度更新している。 しかし、余りに高過ぎる気がしてならない。これまでの金価格上昇にはそれなりのイベントがあった。 ベアスターン証券の吸収合併、リーマンブラザーズの倒産、GMやクライスラーの危機、ドバイの金融危機、アイルランドのソブリンリスク、ギリシャのソブリンリスク、米国の債務上限問題、イタリアとスペインのソブリンリスク等である。 その都度金価格は上昇を続けてきた。しかし、今回の上昇にはこれと言ったイベントは何もない。 敢えて言えばカダフィ大佐の命運が尽きようとしていることくらいであるが、欧州の金融株価が下落しているところをみると、どこかの銀行の資金繰りに問題が生じているのかもしれない。 もしここでどこか大手銀行が倒産するようなことにでもなれば、金価格は更に上がってもおかしくはないが、そうした大事件はこれまでのECBの動きを見ているとありそうもない。E CBかEU政府が資金を貸し付けて何とか延命させるものと思われる。 ゴールドマンサックス出身のヘンリーポールソン財務長官がライバルのリーマンブラザーズを座視して支援しなかったような政治的な葛藤は無いように見える。 そうなると、この価格上昇は、それほど根拠のないものであり、いわゆる個人投資家が金は上がるというマスコミなどの情報に浮かれて買いに来ているのかもしれない。 ワールドゴールドカウンシルによる第二四半期の金の実需は減少気味である。ETFも売れていない。

金価格というのは、ニューヨークCOMEX市場における先物価格のことを一般には言われおり、現物がどんどん売れているので、先物価格が上がっているわけではない。 現物がどんどん売れるだろうと多くの人々が予想するため、先物を買う人が増えるということである。そこに待ちかまえているのは、大手投資家やファンドの利食い売りであろう。 まだファンドの建て玉は25万枚(オプションを含む)という巨額な建て玉になっている。先々週3万枚強が売られたので、史上最大からは3万枚程少なくなったがそれでも多い。 かれらはいずれ売るだろう。大手ファンドの売りを支えるだけの個人投資家の買いは予想できない。つまり、ファンドが売れば価格は下がり、価格が下がれば、他のファンドが売ることになる。 近い将来金価格は急落すると思っている。

株式会社コモディティー インテリジェンス 近藤雅世

2011年8月23日(火)

株式会社コモディティー インテリジェンス 近藤雅世(こんどう まさよ)

1972年早稲田大学政経学部卒。三菱商事入社。
アルミ9年、航空機材6年、香港駐在6年、鉛錫亜鉛・貴金属。プラチナでは世界のトップディーラー。 商品ファンドを日本で初めて作った一人。
2005年末株式会社フィスコ コモディティーを立ち上げ代表取締役に就任。
2010年6月株式会社コモディティー インテリジェンス設立代表取締役社長就任。

コラム提供:株式会社コモディティー インテリジェンス

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