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商品先物銘柄トピックス

欧州金融危機は回避可能か?

先週ギリシャに対する第六次融資80億ユーロが承認され、11月上旬に実行されることとなった。 11月第二週までしか資金が無かったギリシャはこれで、一息つくが、11月には12月の国債償還資金のために第七次融資の話合いが行われる必要がある。

ギリシャは、すでに再建不能の状態で、7月に21%の民間負担を要請したが、今後は50%の負担となる案が話し合われている。 ギリシャの実質的デフォルトは既定事実化し、問題は欧州金融機関の自己資本増強がうまく行くかどうかになってきた。 まずは自助努力で増資し、次に各国政府が国有化を含む増資や資金援助を行い、最後にEFMS(欧州金融安定化基金)が資金を出すことになりそうだ。 その資金枠は2500億ユーロであったが、先週一旦否決したスロバキア国会が770億ユーロの保証枠を承認し、4400億ユーロの資金枠が出来た。 こうした動きに市場はほっとしているが、未だ解決したわけではない。

既にギリシャ国債価格は5割を割り込み、HSBC等大手金融機関は5割を償却し始めているが、中小金融機関は7月の民間支援で決められた21%のヘアカット分だけ償却している。 金融機関の格差が今後明白になってくると思われ、格付け会社は一斉に欧州の金融機関の格下げを行っている。 既に国債はイタリアとスペインをAA-に格下げし、ポルトガルは投資適格すれすれのBBB-に引き下げているが、 Royal Bank of Scotlantは2段階引き下げられA2に、LloydsはA1に、Espirito SantoをBa3に二段階引き下げた。中には5段階引き下げられた中小金融機関もある。 スペインの10行が格下げとなり、Santander とBBVAはAA-にUBSはA-にCredit Suisse等もNegativeとなり、欧州金融機関は格付け引き下げラッシュに遭っている。 当然こうした格下げは資金調達能力を減殺し借入金利を引き上げる。企業等の取引先が銀行を変える動き等が出ると大ごとになりかねない。 欧州金融機関の再編は今後急速に広まるだろうし、その過程で、破綻する銀行も出るかもしれない。 まだまだ予断は許されないが、取りあえずは1週間先送りになった23日の欧州首脳会議でどのような具体案が出るのかが注目される。

株式会社コモディティー インテリジェンス 近藤雅世

2011年10月18日(火)

株式会社コモディティー インテリジェンス 近藤雅世(こんどう まさよ)

1972年早稲田大学政経学部卒。三菱商事入社。
アルミ9年、航空機材6年、香港駐在6年、鉛錫亜鉛・貴金属。プラチナでは世界のトップディーラー。 商品ファンドを日本で初めて作った一人。
2005年末株式会社フィスコ コモディティーを立ち上げ代表取締役に就任。
2010年6月株式会社コモディティー インテリジェンス設立代表取締役社長就任。

コラム提供:株式会社コモディティー インテリジェンス

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