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商品先物銘柄トピックス

景気悪化は長引きそう

欧州債務危機は23日に決着が付かず、26日に延期された。 ドイツの裁判所がギリシャやEFSF等に関する新たな決定は議会に諮ることという命令を出したためであるが、このことは、欧州債務危機が一筋縄では行かないことを物語っている。 欧州共同体各国が関与しているため、一つのことを決めるにも、先般スロバキア議会がEFMSへの融資枠増額を一旦否決したように、小国の意思で全体の計画が危うくなる可能性がある。 ギリシャの債務に対する民間投資家の負担をこれまでの21%から50〜60%にするということも簡単にははいそうですかと民間金融機関は言わないだろう。 政治的決定が即実行されるわけではない複雑な仕組みが欧州債務危機の特徴となっている。 最善でもギリシャの債務の半分を民間が負担して棚上げするというものだが、それによる欧州金融機関の自己資本増額はそれほどスムースに行くとも思えない。 国有化や政府の資本が入ることには金融機関は抵抗するだろうし、仮にそうなったとしても、欧州金融機関の金融機能は多くが殺がれ、今後投融資に支障が出る可能性が高い。 アジア諸国や新興諸国は欧州金融機関からの借り入れが多く、最近増加傾向にあった。それらが貸しはがし等になれば、景気低迷は欧州だけにはとどまらない。 昨日中国のPMIが5ヵ月ぶりに50を回復したと喜んだのもつかの間、再び世界的に景気悪化の兆候が長期にわたって出る可能性が高い。

これを商品価格に当てはめると、工業用途の素材・燃料価格は当分下落基調となるだろう。いつも言うことだが、商品投資は価格が上がっても下がっても運用機会はある。 むしろ価格が下がる方に賭ける方が生活の足しになる。ここ当分は右肩上がりを狙うよりは右肩下がりないしは横ばいのチャネルの中での動きで投資した方が懸命である。 長い期間のチャートを見れば、ほとんどの商品価格はそうしたチャネルの中で動いてきた過去の経緯を読みとれる。トレンドが出て上昇基調になるのは稀なことである。 そうした稀な時だけ儲かるわけではなく、チャネルの相場ならそれなりの対処をすれば十分利益機会があることをご理解されたい。

株式会社コモディティー インテリジェンス 近藤雅世

2011年10月26日(水)

株式会社コモディティー インテリジェンス 近藤雅世(こんどう まさよ)

1972年早稲田大学政経学部卒。三菱商事入社。
アルミ9年、航空機材6年、香港駐在6年、鉛錫亜鉛・貴金属。プラチナでは世界のトップディーラー。 商品ファンドを日本で初めて作った一人。
2005年末株式会社フィスコ コモディティーを立ち上げ代表取締役に就任。
2010年6月株式会社コモディティー インテリジェンス設立代表取締役社長就任。

コラム提供:株式会社コモディティー インテリジェンス

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