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商品先物銘柄トピックス

金価格は上がると思う

NY金価格は1月3日の1600.5ドルから1月23日は1678.3ドルと既に77.8ドル(4.9%)も上昇している。それでも、まだ金価格は上がると思う。

過去の金価格の特徴は、金融不安が醸成されると上がるという傾向があることだ。現在欧州債務危機は真っ盛りで、時々株価は欧州金融不安が消滅したような楽観論から上昇している。またシカゴオプション取引所の恐怖指数は、昨年8月8日に48まで上昇したが、1月23日は18.67まで下がっている。しかし、欧州金融不安は未だ渦中にあると思う。世界中の人々が恐慌につながる危機であるという認識があるので、英知を集めて解決に当たっており、いずれ何事も無く終幕する可能性もある。しかし、現時点では何が起きるか予測がつかない。当面の危機は3月20日に予定されるギリシャの145億ユーロの償還資金である。昨年12月に決定された第二次支援策1300億ユーロの融資が実行されなければギリシャは3月時点でデフォルトになる。その融資実行の条件は民間金融機関が50%の債務カットを了承することだ。

しかし、1月13日民間金融機関の代表である国際金融協会(IFF)は突然50%の債務カットはできないと述べた。一部ファンドはクレディットデフォルトスワップ(CDS)の保険金を受け取った方が得策で、そのためには自発的な債務カットではなく強制的なデフォルトでないとCDSが発効しない。だからデフォルトを望んでいる。また金融機関以外の一般投資家は評価損失の制度が適用されないので、慌てることはない。放っておけば、ドイツやフランスが公的資金でギリシャを支援すると思っている。また、50%の期間債務は30年までの新しい債券と交換することになっているが、その表面利率を巡って双方の主張が食い違っているなど、23日の段階ではまだ決着が付いていない。仮に決着したとしても、民間金融機関の全部がそれを受け入れるとは限らない。半分以下であれば、これも条件としては整わないことになる。当面の危機は3月であるが、これが今後3カ月ごとに続く。そして返済国ギリシャの経済はますます悪化しており、既にギリシャの銀行から預金の2割以上が逃げ出してしまった。そのため、ギリシャの銀行の救済資金は日ごとに膨らんでいる。借金の額はますます大きくなる見込みである。

そんなことなら、いっそのことデフォルトにして借金帳消しにした方が良いという意見も出ている。ただ、デフォルトになれば、ギリシャの国債を多く持っているフランスやイタリア、ドイツ、スペインの銀行が大きな損失を被る。欧州中央銀行(ECB)とて例外ではなく、最も大きな被害者はECBとなり、昨年8月からの債券買い取りで拡大しているECBの資産の一部が不良債権になってしまう。ギリシャのデフォルトは、多くの欧州の銀行や国家の破綻の導火線に火をつけることになる。こうした不安感は、当分金価格を上げるだろう。

株式会社コモディティー インテリジェンス 近藤雅世

2012年1月24日(火)

株式会社コモディティー インテリジェンス 近藤雅世(こんどう まさよ)

1972年早稲田大学政経学部卒。三菱商事入社。
アルミ9年、航空機材6年、香港駐在6年、鉛錫亜鉛・貴金属。プラチナでは世界のトップディーラー。 商品ファンドを日本で初めて作った一人。
2005年末株式会社フィスコ コモディティーを立ち上げ代表取締役に就任。
2010年6月株式会社コモディティー インテリジェンス設立代表取締役社長就任。

コラム提供:株式会社コモディティー インテリジェンス

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