[ ここから本文 ]

商品先物銘柄トピックス

金や原油価格はマネーゲームで上がっているので、いずれ下がる。ただ、円安なので、円建て価格は上がる。

 金や原油価格は過剰流動性による投資資金が商品を買っているため上がっているという感が強い。なぜなら原油価格はイランの地政学的リスク以外には特に上昇要因は見当たらず、景気が良くなりそうで株価が上がっているから上がるという程度の理由で上昇しているに過ぎない。もしホルムズ海峡が封鎖されたら、とか、もしイスラエルがイランを空爆すれば、原油価格は高騰するだろう。しかし、その可能性はかなり低いものと思われる。また、原油価格が仮に150ドルにもなれば、大統領選挙を控えた米国政府は黙っていないと思われ、CFTCに建て玉制限を課したり、投機資金を制御する動きを始めるものと思われる。

 

一方金価格は、これまで金融不安を材料として上昇してきた。しかし、このところの上昇は景気回復と共に上がっている。景気が回復することと金を買うことはそれほど強いつながりはない。あるとすれば、投機資金が余って金を買わせていることである。原油も金もファンドの建て玉は増加している。原油は30万枚を超えたが金はまだ20万枚のネット買い残なので、要注意ラインには到達していないと思われるが、3月末の決算を前に金も原油も下落する可能性を見ておいた方が良いだろう。

ただ、日本円建ての価格は上昇するだろう。円安はそう簡単には収まらないと思う。なぜなら、日銀もFRBもインフレ目標を設定しているが、米国のコアCPIは2.3%で目標の2%を超えている。一方日本の物価上昇率の目標は1%であるが、コアCPIは▲0.4%であり、まだ1.4%の上昇余地がある。これは何を意味するかというと、米国はゼロ金利を解除して金利を上げ易い環境にあるが、日本はまだ金利を上げるのは相当景気が良くならないとできないということであり、米国金利が上昇して日米の金利差が拡大すれば、ドル高円安になる。

また、日本の経常収支が10兆円を下回り、海外投資が増加している。更に日本国債はギリシャ危機の終焉と共に脚光を浴びるだろう。こうした環境から更に円安になる可能性が高い。だから金価格は上がらなくても円建ての金価格は上がると思う。ドル円が81円から85円になるだけでも、約5%の値上がりである。東京金の5%とは、約230円の値上がりを意味する。

株式会社コモディティー インテリジェンス 近藤雅世

2012年2月27日(月)

株式会社コモディティー インテリジェンス 近藤雅世(こんどう まさよ)

1972年早稲田大学政経学部卒。三菱商事入社。
アルミ9年、航空機材6年、香港駐在6年、鉛錫亜鉛・貴金属。プラチナでは世界のトップディーラー。 商品ファンドを日本で初めて作った一人。
2005年末株式会社フィスコ コモディティーを立ち上げ代表取締役に就任。
2010年6月株式会社コモディティー インテリジェンス設立代表取締役社長就任。

コラム提供:株式会社コモディティー インテリジェンス

コラム一覧へ戻る

当社は「ALL先物比較」に掲載される情報(以下「掲載情報」といいます。)の完全性 および正確性を保証いたしません。また掲載情報は、将来における結果を示唆するものではありません。 したがいまして、お客様において掲載情報に基づいて行動を起こされた場合でも、 当社はその行動結果について何らの責任も負担いたしません。 掲載情報に基づく行動は、お客様の責任と判断によりお願いいたします。
掲載情報は、金融商品の売買等の勧誘を意図したり、推奨するものではありません。 お客様において掲載情報に含まれる金融商品の売買等の申込等をご希望される場合には、 その掲載情報に記載の金融機関までお客様ご自身でお問い合わせください。 当社はお問い合わせに関し対応いたしかねます。
掲載情報のうち「商品先物銘柄トピックス」等に関しましては、著作権法等の法律により保護されており、 個人の方の私的使用目的以外での使用や権利者に無断での他人への譲渡、販売コピーは認められていません。