[ ここから本文 ]

商品先物銘柄トピックス

大豆はまだまだ上がると思う

ギリシャに対する1300億ユーロの第二次支援が決定し、20日の145億ユーロの返済は可能となった。ギリシャ債務危機は終わったわけではないが、 当分先送りされることになった。こうなると金価格は上昇のよりどころを失う。

それに代わる商品はやはり春は穀物だろう。トウモロコシも大豆も、3月9日に 公表された米国農務省の需給報告では2月とほとんど同じ内容であった。ということは、今年度(昨年9月〜今年8月)の需要は昨年より相当減少しなければ供給は間に合わなくなるという状態が一向に変わっていないということである。 トウモロコシの場合は、ウクライナ等欧州の新規の供給が増加する見込みがあるので、まだ不足量は少ないと思われるが、大豆の場合、非常に足りない状況が続く見込みである。

以上を数字で説明すると以下のようになる。(単位は百万ブッシェル)

3月の需給報告では、期初在庫215 + 生産3056 + 輸入15=供給合計3286 これに対し需要は圧砕1615 + 輸出1275+種子87+その他34=需要合計3011 在庫=供給合計−需要合計=275=在庫率9.1%となっている。

もしこれが、昨年並みの需要であると仮定すると、供給は3286で変わらず、 需要は圧砕1648+輸出1501+種子87+その他43+需要合計=3280となる。 在庫=供給合計−需要合計=6=在庫率0.2%となってしまう。在庫が6というのはあってないようなもので、誰かが仮需で買ってしまえば在庫は底を付く状況である。

つまり、昨年並みの需要があってはならない状況であり、今年度の需要は、昨年よりも、圧砕が▲2.0%、輸出が▲15.1%、需要合計▲20.9%と昨年よりも需要が2割以上減少することが需給報告の前提となっている。

果たしてそれは事実であろうか?

大豆の場合、ウクライナ等の生産は無い。また南米は1月の授粉期に雨が十分降らなかったため、収穫は減少すると予測されている。景気が悪いから大豆油は使わないということもおかしな話である。豚や牛の餌は中国等豚肉価格が上昇している手前、豚肉の生産を減らすわけにはいかず、飼料は必要であろう。

大豆の南米における生産は、USDAは2月にブラジル7200万トン、アルゼンチン4800万トンと見ていたが、3月の需給報告ではそれぞれ、6850万トン、4650万トンに、35万トン、15万トン減少させている。

今後は3月末の作付意向面積を巡って相場は展開するだろう。農業観測会議では、トウモロコシの作付は1944年以来多い9400万エーカー、大豆は昨年並みの7500万エーカーと予想されている。ということは、大豆の方が価格が上がり易い。ただ、これを見越して今後農家が大豆の作付を増やす可能性はある。

大豆価格はこうした背景から既に高騰しているが、まだまだ価格は上がると思う。

株式会社コモディティー インテリジェンス 近藤雅世

2012年3月13日(火)

株式会社コモディティー インテリジェンス 近藤雅世(こんどう まさよ)

1972年早稲田大学政経学部卒。三菱商事入社。
アルミ9年、航空機材6年、香港駐在6年、鉛錫亜鉛・貴金属。プラチナでは世界のトップディーラー。 商品ファンドを日本で初めて作った一人。
2005年末株式会社フィスコ コモディティーを立ち上げ代表取締役に就任。
2010年6月株式会社コモディティー インテリジェンス設立代表取締役社長就任。

コラム提供:株式会社コモディティー インテリジェンス

コラム一覧へ戻る

当社は「ALL先物比較」に掲載される情報(以下「掲載情報」といいます。)の完全性 および正確性を保証いたしません。また掲載情報は、将来における結果を示唆するものではありません。 したがいまして、お客様において掲載情報に基づいて行動を起こされた場合でも、 当社はその行動結果について何らの責任も負担いたしません。 掲載情報に基づく行動は、お客様の責任と判断によりお願いいたします。
掲載情報は、金融商品の売買等の勧誘を意図したり、推奨するものではありません。 お客様において掲載情報に含まれる金融商品の売買等の申込等をご希望される場合には、 その掲載情報に記載の金融機関までお客様ご自身でお問い合わせください。 当社はお問い合わせに関し対応いたしかねます。
掲載情報のうち「商品先物銘柄トピックス」等に関しましては、著作権法等の法律により保護されており、 個人の方の私的使用目的以外での使用や権利者に無断での他人への譲渡、販売コピーは認められていません。