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商品先物銘柄トピックス

イランの核開発

5月24日バクダッドで開催されていた国連安保常任理事国にドイツを加えた6か国とイランの協議は合意に至らず、6月18〜19日にモスクワで再開されることになった。欧米は一部航空機部品の貿易制限解除をほのめかしてイランに核開発の停止を迫ったが、イランは経済封鎖の大幅な解除を主張し、平行線となった。IAEA(国際原子力委員会)がイランを査察したところでは、これまでウランを20%まで濃縮していると報告していたが、今回2月に同国中部ふぉるどの地下施設で濃度27%を検出したという。核爆弾を製造するには90%以上の濃縮が必要であるが、濃縮技術は3.5%から20%に高めるのが難しく、その後は雪だるま式に濃縮できるという。また、イランはフォルドの遠心分離器の数を50%増やしたが、一部設備にはローター等主要設備が取り付けられておらず、部品を輸入できない状況とみられる。

イランは最近急激に態度を軟化させている。一つには、経済封鎖の効果が市民生活をインフレに導き、諸物価が高騰して輸入品が少なくなっていることであるが、もう一つは、頼みの綱だったインドと中国が最近米国の説得に応じてイランからの原油輸入量を減らしていることが大きいと思われる。これに加えて7月1日から欧州がイラン産原油の全面禁輸を行えば、それだけでイラン歳入の3分の1がなくなると言われイラン政権は苦しい立場に追い込まれている。最高決定者はハメネイ氏であり、今後の動向が注目される。

欧米や中国にとっては、イラン原油の代わりにサウジアラビアが原油供給を積極的に行っている。サウジと敵対するイランが核ミサイルを持つことにはサウジアラビアも他人事ではないため、昨年のリビア原油の減産の時以上に、サウジは増産しているものと思われる。

こうした動きは原油価格を和らげている。

株式会社コモディティー インテリジェンス 近藤雅世

2012年5月29日(火)

株式会社コモディティー インテリジェンス 近藤雅世(こんどう まさよ)

1972年早稲田大学政経学部卒。三菱商事入社。
アルミ9年、航空機材6年、香港駐在6年、鉛錫亜鉛・貴金属。プラチナでは世界のトップディーラー。 商品ファンドを日本で初めて作った一人。
2005年末株式会社フィスコ コモディティーを立ち上げ代表取締役に就任。
2010年6月株式会社コモディティー インテリジェンス設立代表取締役社長就任。

コラム提供:株式会社コモディティー インテリジェンス

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