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商品先物銘柄トピックス

出口の見えない欧州危機

欧州経済に関する各種レポートを読み漁ったが、どれ一つ取ってみてもクリアカットな説明をしたものはない。それほどギリシャやスペイン情勢、ECBの立ち場等が複雑で混沌とした状態に置かれているのだろう。

課題は、7月のギリシャの年金と公務員給料をどうやって支払うかという切羽詰まったものであるが、その原資が見いだせていない。その足元ではギリシャの民間金融機関の銀行預金が、毎月引き出され続けている。2009年末以降でいえば累積で800億ユーロ、預金残高はピークの3割以上減少し、その勢いは増すばかりである。同様にポルトガルとスペイン、イタリアの銀行からも預金引き出しが続いており、グラフで見ると右下に向かって付き進んでいる。これを見ただけでも欧州金融機関の危機発生は時間の問題だと思わざるを得ない。ほとんどのレポートは、ギリシャが破たんしたら、とか、ギリシャがユーロを離脱した場合という前提に立って非常に悲観的な見方をしている。スペインについても不良資産の額がどこまで大きくなるのかわかっていない。ちょうど米国がサブプライム危機において金融機関が背負う不良債権額がなかなか見通せなかったのと同じで、時々刻々と債権額は増加しているものと思われる。

こうした状況を知るにつけ、ユーロは安くなる。ユーロ発の不況は長引く。資源価格は下落する。金は上昇すると思わざるを得ない。当面確定的なのは株安、ユーロ安それに資源通貨安であろう。幸い日米に限って言えば景気は底這いから少し頭を持ち上げようとしているところであり、まだ欧州ほど悲観的ではない。新興国も同様であるが、いずれも期待できるほどの景気回復は見込まれない。欧州の状態を読めば読むほど、商品も株価もこのまま需要が落ち込めば、それほど上昇する雰囲気にはないと言わざるを得ない。

株式会社コモディティー インテリジェンス 近藤雅世

2012年6月4日(月)

株式会社コモディティー インテリジェンス 近藤雅世(こんどう まさよ)

1972年早稲田大学政経学部卒。三菱商事入社。
アルミ9年、航空機材6年、香港駐在6年、鉛錫亜鉛・貴金属。プラチナでは世界のトップディーラー。 商品ファンドを日本で初めて作った一人。
2005年末株式会社フィスコ コモディティーを立ち上げ代表取締役に就任。
2010年6月株式会社コモディティー インテリジェンス設立代表取締役社長就任。

コラム提供:株式会社コモディティー インテリジェンス

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