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商品先物銘柄トピックス

大豆価格はまだまだ上がる

 11月9日に公表された米国農務省による需給報告は、大豆の生産が10月より増加し、市場予測の28億9200万ブッシェルを7900万ブッシェル上回る29億7100万ブッシェルであった。前月の予想より1億1100万ブッシェル、3.9%も多い。これは単収が37.8ブッシェル/エーカーから39.3ブッシェル/エーカーに1.5ブッシェル4%増加したためだ。この時点で4%も改善するとは不思議な話ではあるが、そうでもなければ需給はたいへんなことになっているので致し方ないところなのであろう。

 つまり、大豆の需要は、10月の29億2000万ブッシェルから30億2100万ブッシェルに3.5%増加した。輸出が12億6500万ブッシェルから13億4500万ブッシェルに8000万ブッシェル6.3%も増加している。輸出量は毎週統計発表が行われいるが、先週は減少したものの、その前の週は前年同期比で1.5倍の輸出検証高があった。すなわち、大豆の需要は好調である。

 もし生産量を10月のまま据え置いた場合は、生産量が28億6000万ブッシェル、期初在庫が1億6900万ブッシェル、輸入が2000万ブッシェルで供給合計は、30億5000万ブッシェルとなる。一方、11月の需給報告だと需要は30億2100万ブッシェルなので、差し引き期末在庫は2900万ブッシェル、在庫率は10月の需給報告の1億4900万ブッシェル4.5%から、2900万ブッシェル1.0%になってしまう。まだマイナスにならないだけましであるが、供給の数字を多くしないことには、在庫が払底して価格が急騰しかねない状況になるため、無理をしてでも生産量を増やさねばならないという事情があるのではないかと思う。

 いずれにしても昨年並の需要なら、11月の増加した生産量でも期末在庫は▲3.7%になってしまい、一昨年並の需要だと▲6.0%期末在庫つまり、来年8月まではとても供給が間に合わない状況である。需給報告で一時的な気休めがあろうがなかろうが、大豆の需給はタイトであるのに変わりはない。

 また、南米では大変多くの大豆の作付が予想されている。USDAは12/13年度のブラジルの大豆生産量を前年の6650万トンから8100万トンに1450万トン21.8%増、アルゼンチンの大豆生産を4100万トンから5500万トンに1400万トン34.1%増と大幅増を見込んでいる。

 ただ、ブラジルの輸出は、前年の3632万トンが3740万トンになるだけであり、アルゼンチンは737万トンが1200万トンに増加するだけである。加工品となって輸出されるとは思われるが、その出回り時期は3月以降であるので、それまでの間に秋に収穫した米国産大豆の在庫が払底する状況に変わりはない。輸入社は早いものがちで駆け込み輸入をするのではないだろうか。

 大豆価格は下がったがまだまだ上がると思うのは間違いだろうか?

株式会社コモディティー インテリジェンス 近藤雅世

2012年11月12日(月)

株式会社コモディティー インテリジェンス 近藤雅世(こんどう まさよ)

1972年早稲田大学政経学部卒。三菱商事入社。
アルミ9年、航空機材6年、香港駐在6年、鉛錫亜鉛・貴金属。プラチナでは世界のトップディーラー。 商品ファンドを日本で初めて作った一人。
2005年末株式会社フィスコ コモディティーを立ち上げ代表取締役に就任。
2010年6月株式会社コモディティー インテリジェンス設立代表取締役社長就任。

コラム提供:株式会社コモディティー インテリジェンス

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