[ ここから本文 ]

商品先物銘柄トピックス

インドの金輸入関税が10%で据え置き

 セミナーで金について語るとき、イラクの紛争や中国の経済混乱が金価格上昇の一つの要因だと述べるとともに、インドの金輸入関税を現行の10%から引き下げられるタイミングも一つの上昇要因だと述べていた。その根拠として、インドの経常赤字は回復しており、5月に総選挙で新たに首相となったModi首相はインドの金の密輸入が増加して、密輸のできない大手宝飾品店の売り上げが減少し、地方の小売商が密輸で大儲けをしていることを取り締まる方向に動くだろうと観測していたからだ。

 ところが、先週木曜日インドの新しい予算措置では、金の輸入関税は10%に据え置かれると共に、80-20という輸入品の5分の1は輸出に回さなければならないというインド中央銀行の規定もそのままとなった。

 先週までもしかして輸入関税がもとの6%に引き下げられるのではないかと思っていた多くのトレーダーは肩透かしを食った。

 昨年4月から今年3月までのインドの金輸入量は、前年度の1013トンから670トンに▲343トン、▲34%減と大幅に減っている。ただ、ワールドゴールドカウンシルによれば、密輸入は200〜250トンあるという。また政府高官の話ではそのうち捕まったのは2.5トンに過ぎないという。関税が据え置きでもインドの実質的輸入量はそれほど減ってはいないのかもしれないが、表向きは減少している。

 残念ながらインドの金輸入関税引き下げによる金価格上昇は、先延ばしにされたが、金ETF残高やファンドの金ネット買い残は増加している。7月10日時点で、金ETF残高は1508トンであり、2012年12月10日の2369トンという史上最大よりは少ないが、6月30日の1496トンよりはこの10日間で12トンも増加している。

 また、米商品先物委員会(CFTC)による大口投資家の建玉報告によれば、7月8日までの週のファンドのネット買い残(オプションを含む)は、17万91枚で前週より1786枚の増加であるが、これで4週連続の増加を記録している。

 ちなみに、プラチナとパラジウムのETF残高はともに過去最大となっており、またプラチナのファンドのネット買い残も3週連続で増加している。なお、一部には、プラチナグループメタルの価格は、買い残が積み上がっているので、反落する可能性があると警告を出しているアナリストもいる。

株式会社コモディティー インテリジェンス 近藤雅世

2014年07月14日(月)

株式会社コモディティー インテリジェンス 近藤雅世(こんどう まさよ)

1972年早稲田大学政経学部卒。三菱商事入社。
アルミ9年、航空機材6年、香港駐在6年、鉛錫亜鉛・貴金属。プラチナでは世界のトップディーラー。 商品ファンドを日本で初めて作った一人。
2005年末株式会社フィスコ コモディティーを立ち上げ代表取締役に就任。
2010年6月株式会社コモディティー インテリジェンス設立代表取締役社長就任。

コラム提供:株式会社コモディティー インテリジェンス

コラム一覧へ戻る

当社は「ALL先物比較」に掲載される情報(以下「掲載情報」といいます。)の完全性 および正確性を保証いたしません。また掲載情報は、将来における結果を示唆するものではありません。 したがいまして、お客様において掲載情報に基づいて行動を起こされた場合でも、 当社はその行動結果について何らの責任も負担いたしません。 掲載情報に基づく行動は、お客様の責任と判断によりお願いいたします。
掲載情報は、金融商品の売買等の勧誘を意図したり、推奨するものではありません。 お客様において掲載情報に含まれる金融商品の売買等の申込等をご希望される場合には、 その掲載情報に記載の金融機関までお客様ご自身でお問い合わせください。 当社はお問い合わせに関し対応いたしかねます。
掲載情報のうち「商品先物銘柄トピックス」等に関しましては、著作権法等の法律により保護されており、 個人の方の私的使用目的以外での使用や権利者に無断での他人への譲渡、販売コピーは認められていません。