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商品先物銘柄トピックス

12月2日までのファンドの動き

 12月2日の週までの米国商品先物取引委員会(CFTC)のファンドの建玉の動きを観察すると、ネット買い残が増えているのは、金、銀、プラチナ、原油であり、ネット買い残が減少したのは、砂糖、大豆、大豆油、天然ガス、円である。
 その内訳を見てみると、買い残が増えているのは、金、原油、大豆油であり、売り残が減っているのは、金、銀、プラチナ、原油、ヒーティングオイル、天然ガスであり、売り残が増えているのは大豆、大豆油、トウモロコシである。
 これらを見て要注意と見られるのは、原油の売りが1万6千枚も減って、買いが4千8百枚増えていることであろう。ファンドの動きから見ると、原油価格は安過ぎるとの見方が芽生えていることがわかる。それでも原油の売り残は11万枚もあり、ピークの13万9千枚(10月14日)からは減少しているが、まだ7月頃の8万枚台からは多い水準にある。
 トウモロコシと大豆が5月頃から売られて価格が下がり、10月初めからそうした売り残が買い戻されることにより、豊作という需給状況にほとんど変わりが無いにもかかわらず価格が反転上昇したことはファンドの売り残が買い戻されたためと思われる。金についてもある程度そのことが言えるが、今度は原油の番だと思われる。

 原油の需給は緩んでいるが、それは今に始まったことではない。市場が気が付かなかったか無視していただけのことである。IEA(国際エネルギー機関)が新興諸国の景気の伸びが鈍化したことを受けて9月まで毎月世界の原油需要を下方修正したことが、原油価格下落のきっかけとなっているが、10月11月とIEAは世界の原油需要を大幅に上方修正している。

 原油価格が下落することは世界の経済に良いことでもあるが、同時に、様々なアンバランスが生じる元凶となる。たとえば、産油国の収入源により、巨大なオイルダラーの還流が止まれば、世界の資金の動きにブレーキがかかることになる。さらに石油開発関連企業の業績が悪化すれば、そうした企業の株価は下落し、石油開発投資意欲が減退するなど、原油価格下落は必ずしも恩恵ばかりではない。60ドルを下回るような価格に仮になるとすれば、サウジアラビアも価格競争などをやっている場合ではなくなり、減産のアナウンスを流すものと予想され、それはファンドのショートポジションが先を争って買い戻す動きにつながる。
 商品投資において行き過ぎた価格の是正に賭けることは比較的安全なものである。ただ、まだ一押しあるかもしれないことは投資家のみなさんなら百も承知であろう。

株式会社コモディティー インテリジェンス 近藤雅世

2014年12月08日(月)

株式会社コモディティー インテリジェンス 近藤雅世(こんどう まさよ)

1972年早稲田大学政経学部卒。三菱商事入社。
アルミ9年、航空機材6年、香港駐在6年、鉛錫亜鉛・貴金属。プラチナでは世界のトップディーラー。 商品ファンドを日本で初めて作った一人。
2005年末株式会社フィスコ コモディティーを立ち上げ代表取締役に就任。
2010年6月株式会社コモディティー インテリジェンス設立代表取締役社長就任。

コラム提供:株式会社コモディティー インテリジェンス

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