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商品先物銘柄トピックス

秋には商品の時代が到来する

 8月10日月曜日の日経CNBCで話した内容であるが、商品価格は二つの理由で下落している。一つは世界の資源の半分を食べている中国の景気悪化によるもので、不動産バブルが崩壊して建設需要が激減し、そのため、銅や鉄鋼等建設資材の作り過ぎが表面化していること。そこに上海株価の二度の大幅下落により個人消費需要にも翳りが出ていること。世界の12%を消費する原油や世界1の輸入国である金の需要が減るのではないかという不安材料が商品価格を全般に押し下げている。

 もう一つの商品価格下落の理由は、商品投資より魅力的な投資があることで、それは証券投資であり、債券投資であった。しかし、何事もある程度行き過ぎると反発が出るものである。行き過ぎと言うのは二つの点を挙げられる。一つは、株価は利上げが実現すれば急落するであろうということ。もう一つは、商品全般に空売りが過去最大級に増加しているが、こうした空売りは商品価格が底値に達して少し反発しようものなら、一斉に買い閉じられるであろうことである。ただし、そうした空売り残が過去の価格に対して相関していることが条件となる。相関しているというのは、相関係数が0.8以上あるいは▲0.8以下であると定義する。

 8月4日までのCFTCによるファンドの建て玉の売り残(ネット買い残ではなく、単純に売り残::オプションを含む)を見てみると、NY金は7月21日に過去最大の売り残160,134枚になりその後2週間売り残は▲6,547枚減少していることがわかる。2014年1月初めからのNY金と売り残の相関係数は▲0.83であり高い負の相関となっている。つまりファンドは空売りをしてきたが、少し買戻し始めたということである。NYプラチナは6月23日37,734枚の売り残が過去最大で、相関係数は▲0.958と非常に高い。銀は7月7日、パラジウムは8月4日が過去最大と貴金属はいずれも最近が売り残が過去最大に多くなっているが、銀とパラジウムの場合は価格とは無相関である。

 NY原油価格は、3月24日が過去最大の281,026枚の売り残があったが、その後買い戻され6月16日には120,466枚となっている。この間にNY原油価格は3月18日の底値42.03ドルから5月6日の62.58ドルまで+20.55ドル49%上昇した。そしてその後ファンドの売り残は先週8月4日に225,913枚まで約10万枚増加しており、価格は昨日の8月10日に44.96ドルまで再び下落している。NY原油とファンドの売り残の相関係数は、▲0.82である。

 穀物価格は総じて6月初旬が売り残のピークであり、その後買い戻されている。米国長期国債と5年物国債は7月28日の週が過去最大の売り残であるが、金利との相関関係は無相関である。

 以上から分かることは、金とプラチナ価格はもうじきファンドの膨大な売り残が買い戻されるだろうということである。また原油価格は過去最大ではないが、再び過去最大に近づいており、近い将来買い戻されるであろうということがわかる。つまり金とプラチナ、原油は買いを仕込んでも良い時期が到来している。ただし、ファンドが更に売り増して、価格は更に下げる可能性は残されている点は注意されたい。

 米国の利上げは9月に行われる可能性がある。少なくとも年内か来年初めまでには実行されるだろう。ドルインデックスに対するファンドのネット買い残は、3月に81,210枚と最も多かったが、8月4日時点で65,002枚と一時51,349枚まで減ったものが、また買われている。利上げがあれば、こうしたドル買いポジションは一斉に売りに出されるだろう。それは一時的なドル安となり、世界の通貨は反転上昇し、昨年初から2割上がっていたドルはその分調整されるであろう。それはドル建ての商品価格を引き上げると思われる。

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株式会社コモディティー インテリジェンス 近藤雅世

2015年08月10日(月)

株式会社コモディティー インテリジェンス 近藤雅世(こんどう まさよ)

1972年早稲田大学政経学部卒。三菱商事入社。
アルミ9年、航空機材6年、香港駐在6年、鉛錫亜鉛・貴金属。プラチナでは世界のトップディーラー。 商品ファンドを日本で初めて作った一人。
2005年末株式会社フィスコ コモディティーを立ち上げ代表取締役に就任。
2010年6月株式会社コモディティー インテリジェンス設立代表取締役社長就任。

コラム提供:株式会社コモディティー インテリジェンス

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