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商品先物銘柄トピックス

金の歴史的役割

ダウ平均株価等世界の株価の急落に直面して、2017年初めからこの2月13日までを検証すると、金価格とダウ平均株価は0.71という正の相関関係を持っていた。つまり、金はダウ平均が上昇した時は上昇し、今回下落した時も同じように下落している。一方同時期の金とドルインデックスとは逆相関しており、▲0.81という高い逆相関係数でドル安=金高、ドル高=金安となっている。そして、今回ダウ平均株価が下落したとき、ドルインデックスはドル高になっていた。そのために金は下落したとも言える。一体セーフヘブンとしての金の役割はどこに行ったのだろうか。

そんな中でWorld Gold Councilから「金の戦略的資産としての関連性(The relevance of gold as a strategic asset)」というレポートが出た。これによると、金は希少金属であるのに、流動性が高い。贅沢品であると同時に投資商品でもある。そして金は投資ポートフォリオの中で次の四つの役割を持つという。

  1. 長期投資のリターンの源泉
  2. 市場にストレスがある場合損失を最小限にするための分散先
  3. 通貨をしのぐ収益を生む、信用リスクの心配がない流動性のある資産
  4. ポートフォリオ全体の収益を拡大させる方法

WGCは年金ファンドのポートフォリオに資産の2%、5%、10%を金に分散投資した場合の過去10年間のパフォーマンスを分析した。その結果、どの場合においてもリターンを上げ、ボラティリティを引き下げ、高いリスクを中和する結果を上げていることを証明した。

2001年以来金投資は年間平均+18%の伸びを見せ、投資の主流になってきた。これは金現物投資の裏付けのあるETF等新たな金投資方法ができたことや、アジアの中産流階級の資産規模が拡大したこと、2008年~9年の米国および欧州の金融危機を経験したためでもある。

今日金は、機関投資家には以前よりずっとなじみのある投資手段となっている。機関投資家は株式や債券等の伝統的な投資資産に代わるものを投資対象に含めようとしている。非伝統的投資資産の米国における割合は2006年の17%から2016年には27%に増加している。

多くの投資家は主要投資資産との相関関係が低い金を分散投資として、システミックリスクや強気の株式市場の揺り戻しに対するヘッジとしての役割を認めている。

歴史的に、戦略的資産として金は、ポートフォリオのリスクを調整した後のリターンを改善してきた。市場にストレスがかかった時の信頼性に富み、かつ流動性のある資産として、ポートフォリオのリターンを改善している。

金は不透明性が高い期間に役立つばかりではない。ブレトンウッズ協定が崩壊し、金の取引が自由化された1971年以来、金は毎年平均10%のリターンを示している。金の長期のリターンは株式と同等で、債券や商品投資よりも高い。

金には強力な買い手がある。近年ETF等の新しい金投資の残高が増加し、また各国の中央銀行は、2010年以来外貨準備の多様化を図るために、金のネットバイヤーとなっている。

金本位制の時代や、それに続くブレトンウッズ協定の時代は通貨が金の価値に裏付けられていた。これまでの金価格はその多くの需要を背景に、米国消費者物価指数を大幅に上回って上昇してきた。金は単なる資本の保存のためではなく、資本そのものの増加にも役立つようになった。

金はまた、投資家を急激なインフレから保護してきた。インフレ率が3%を上回った時、金の価格は14%以上高くなっている。また金はデフレの時の方がより良いパフォーマンスを上げている。

前世紀以来、金は主要通貨の交換価値という意味では、すべての通貨をアウトパフォームしている。主要経済がデフォルトとなり、貨幣価値がスパイラル的に下落した状況があったのは、金本位制度が終わった後のことである、この背景には金は毎年鉱山生産の伸びが過去20年間2%以下の供給増しかなかったことが挙げられる、反対に不換紙幣は、金融政策を支援するためには無制限に紙幣を発行できる。

つまり、金短期的な収益を目指す投資ではなく、長期的に今回の株価下落のようなリスクを長い目でカバーする投資商品として、インフレに強く、通貨価値の下落に備えるためにポートフォリオの一部に入れると損失リスクが低下しパフォーマンスそのものを上げる役割を果たしてきたことは歴史が証明しているというものである。

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株式会社コモディティー インテリジェンス 近藤雅世

2018年2月14日(水)

株式会社コモディティー インテリジェンス 近藤雅世(こんどう まさよ)

1972年早稲田大学政経学部卒。三菱商事入社。
アルミ9年、航空機材6年、香港駐在6年、鉛錫亜鉛・貴金属。プラチナでは世界のトップディーラー。 商品ファンドを日本で初めて作った一人。
2005年末株式会社フィスコ コモディティーを立ち上げ代表取締役に就任。
2010年6月株式会社コモディティー インテリジェンス設立代表取締役社長就任。

コラム提供:株式会社コモディティー インテリジェンス

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